「おいしい映画祭2023」が、12月2日名古屋ミッドランドスクエアシネマ2で始まりました。
1日目は2スクリーンを使っての上映。
今年も昨年に引き続きタレントのヴィトルさんと俳優の七虹さんの進行で、スクリーン9では招待作品『ぶどうのなみだ』が、そしてスクリーン12では短編作品『魔法使いの見習い』の上映がスタート。短編ということで、トークイベントは『魔法使いの見習い』が先に始まりました。
進行役を務めるのは、本映画祭のプロデューサーで、映画パーソナリティーの松岡ひとみさん。ゲストの佐津川愛美さんを迎えて、東海4県(愛知、岐阜、三重、静岡)ということで、いまの仕事を始める前にやっていたという新体操で名古屋に来てたこと、NHKのドラマで名古屋に通っていた時は、味仙のラーメンやコメダでなごやめしを堪能したことを明かしてくれました。
そして、話題は劇中に登場する「はんぺんフライ」の話へ、「みなさんが思っているはんぺんとは違うんですよ」と佐津川さん。「たぶん、みなさんが想像するはんぺんって、白くてフワフワのやつですよね。静岡の名物でもある「黒はんぺん」は、黒くてしっかりした感じで、フライにするとちょうどいい感じなんです。地元では、家でも出てくるんですけど、ひとみさんと話をしてたら不思議そうにしてたので、地元のご飯だなって思って」
「私は静岡人で、静岡大好きなので、もっと地元にもみんなに来て欲しくて、劇中の舞台にもなっている匠宿は、伝統工芸にも触れられて、すごくおしゃれで、カフェにはコーヒーとかビールとかいろいろあって、宿もあってサウナもあるので、ぜひ泊りに来て下さい」とアピール。ちなみに本作の撮影は3日~4日ぐらいだったのだそう。最近は、長編でもだいぶコンパクトになったそうで長編でも1週間ぐらいで撮る作品もあるのだとか。
ほかにも、監督作の話や食べながら喋るシーンの話、地方女優と言われるぐらい地方でロケする作品に出ていた話をしたあと、観客からこんなカミングアウトが「実は僕も佐津川(サツカワ)で…」それに佐津川さんが「同じ字ですか?」と聞き返し「はい」と答えると「(すごく驚いた様子で)初めてお会いしました!」と少し興奮した様子「私、親戚以外の佐津川さんにお会いしたことないんですよ。薩摩の薩川さんにはお会いしたことあったんですけど、同じ苗字の佐津川さんは、えぇ~初めまして(嬉)」と笑顔に。
そんな質問者の佐津川さんにはある悩みがあるようで「電話で予約したり、注文したりする時に、だいたいタツカワさんとか、アツカワさんとか、佐藤の佐ですって言うと、砂っていう字でこう…、僕の活舌の問題かもしれないんですけど、そういう苦労とか、どう伝えると伝わるかみたいなものはありますか?」という言葉に、佐津川さんも思わず頷き「私も、確かに電話だとタツカワと受け取られてしまうことは多々ありますね。さしすせその「さ」って言っても…」続けて質問者が「たちつてとの「た」ですかって聞き返されたり、あとサツガワさんって言われるとイラっと…」
佐津川愛美さんも「そうです。私も濁らない「サツカワ」なんですけど、結構サツガワさんって言われたりとかしても別にいいやって思って、触れずにいるんですけど、下の名前も愛美(アイミ)っていうんですけど、これも「まなみ」とか「めぐみ」とか言われることが多いので、間違えられ慣れてる。もーいっかな。名前間違いはよくありますね」と佐津川トークで大盛り上がり。
はい、みなさん、これで覚えましたよね。佐津川愛美(サツカワアイミ)さんですよ。トーク中、本当に愛らしくてよく笑う佐津川さん。来年には、主演映画の公開も決まってるので、ぜひ、また名古屋に来て欲しいですね。
一方スクリーン9に移動すると、会場にはぶどうとワインのよい香りが、映画祭の協賛もしてくれている「恵那峡ワイナリー」さんが『ぶどうのなみだ』の来場者に、ふるまいワインを。みなさん映画の余韻に浸りつつ、笑顔で語らいながらワインを味わう、そんな光景が目の前に広がって、これぞ「おいしい」映画祭と、勝手に浸っておりました。ワインを楽しんだあとは、三島有紀子監督、森谷雄プロデューサーを迎えてのトーク、司会はこちらも松岡ひとみさん。
三島監督は、zoomでの参加だったのですが、接続トラブルもあり、ちょっとドキドキ。これも、映画祭。無事、繋がって三島監督の顔が、スクリーンいっぱいに映し出された時は、ちょっとした感動が。ちなみに森谷Pは、このトークのために大泉さん的なパーマをかけたそうです。
三島監督は「絵本みたいな世界で、北海道を見せられたらいいなっていう風に思って作ったんですけど、ワイン造りに関しては非常にリアルに取材して作った作品です」とコメント。
森谷Pが「パンがあったから、次ワインにしようと作った話です」と明かすと「ワイン造りについて調べると、仲間と一緒につくること、もうひとつは大地ですよね。歴史の積み重ねの上にワインが出来上がっているということを知った時に、そんなワインみたいな映画にしたいなって、ワイン飲みながら森谷さんと話していたような」と三島監督が明かしました。
ほか、大泉さんが起こした奇跡。大泉さんの繊細かつ複雑な感情を芝居にのせる話から、大泉さんの手の話に。「大泉さんの手って綺麗なんです。手の動きも素敵に映ってて、あれは洋さんたぶんすごい練習をしてたんですよね」と森谷P。三島監督も「めちゃめちゃ練習してくれて、綺麗な光の中で、ブドウ畑の坂道を走り降りるシーンも「何歳だと思ってんですか」って言いながら走ってました」当時を振り返りました。
そして、話は「大泉洋さん、名古屋での舞台挨拶を段取るの巻」へ、森谷P曰く「自分で段取りして、何のために名古屋に来てるかっていうと、ご飯を食べに来てるっていう」それぐらい食通の大泉さん。そんな裏話もありました。ほか、貯蔵庫の樽を現地で撮影できなかったので、実際に作ってしまった裏話などをしてくれました。
スクリーン12では、一般の部コンペティション受賞作品の上映会が行われ、『家族めし』『寄り鯨の声を聴く』『速報!あと5分で地球が滅亡します』『ラの♯に恋をして』『おべんとう』『ノラノコ』を上映、監督や出演者、制作スタッフなどが登壇し、作品にこめた想いや撮影裏話、こだわった点や苦労した点などお話しました。
やっぱり大きなスクリーンで音もいいので、作品の見え方が違うのが印象的でした。
その後松本優作監督の『日本製造/メイド・イン・ジャパン』が上映。実は、別の作品で登壇するゲストも観客たちとともに作品を鑑賞。こういうのも、映画祭のだいご味。映画が好きなみなさんが集まる場所になる素敵だなって思います。
コンペティション一般部門 受賞結果
・審査員特別賞(ミッドランドスクエアシネマ賞)『家族めし』
・観客賞『ノラノコ』
・企業賞養老ミート賞『家族めし』
・企業賞べべのおそうざい賞『速報!あと5分で地球が滅亡します』
優秀賞は上映した6作品
観客賞は、観客の投票で行われたのですが、最後の最後で受賞の行方がわからない接戦に。審査員特別賞も審査員らの白熱の審議が繰り広げられてました。
そしてスクリーン9では『宇宙人のあいつ』を上映。ゲストトークショーでは、真田四兄妹の末っ子詩文役の柄本時生さんと飯塚健監督が登壇。時生さんはオーバーオール姿で、会場でも末っ子感トークをさく裂。聞けば、実際も姉と兄がいる末っ子だそうで、共演陣も末っ子が多い現場だったそうです。抽選会では、景品の「つけてみそかけてみそ(ナカモ提供)」に「ほしい~」と興味津々。獺祭フェイシャルマスクでは、女性の方に…と念を込めながらの抽選、養老ミートも気合をいれて券を引いてました。
そして、引き続き飯塚健監督は登壇、柄本時生さんが客席の中に溶け込むという環境の中、8月に行われた「みんなのおいしい音楽祭」から誕生したチャリティーソング“Each one Teach one” のミュージックビデオを先行上映。本祭のディレクターで「みんなのおいしい音楽祭」の生みの親、山崎真和プロデューサーがプロジェクトへの想いを語り、OMOIYARELAYよりCrystal Boy(nobodyknows+)さん、村屋光二さん、RIKUさん、MVの安藤監督も登壇、監修した飯塚監督とともに、MV制作裏話や、曲や子どもたちへの想いを明かしました。
「おいしい映画祭」は12月3日まで、今日は学生部門のコンペティションや『モンブラン』『したまち金魚』の上映。沖田修一監督をゲストに迎えた『キツツキと雨』の上映や、『461個のおべんとう』『チョコレートな人々』など、さまざまな上映があります。『キツツキと雨』は、ミッドランドスクエア商業棟5Fのミッドランドスクエアシネマ、それ以外の作品はシンフォニー豊田ビル2Fのミッドランドスクエアシネマ2で上映するので、お間違いなく。それでは、本日もミッドランドスクエアシネマ1、ミッドランドスクエアシネマ2でお待ちしています。