「おいしい映画祭」が12月2日名古屋ミッドランドスクエアシネマ2で始まりました。
オープニングでは、映画祭オフィシャルサポーターを務める甘党男子がメッセージビデオで登壇、映画祭の見どころを紹介しつつ、スイーツソング「パンナコッタ」で映画祭を華やかに飾りました。
タレントで映画ナビゲーターのヴィトルさんと声優でタレントとしても活躍する茉白実歩さんが、この日の進行役を担当。純猥談『私もただの女の子なんだ』や『家族マニュアル』のプログラムを紹介しつつ、楽しいトークで会場を盛り立てました。
この日、最初に登場したのは「できれば共感したくなかった!」と誰もが思うのに思わず共感してしまう、性愛にまつわる体験談を映画化した純猥談シリーズから短編『私もただの女の子』。映画館のスクリーンで観られる貴重な機会、監督のYPさんも一緒に楽しんでいたのが印象的でした。上映後、トークに登壇した監督は、シリーズ化されYouTube配信で2000万回以上再生されている純猥談シリーズとの出会いを振り返り「原作(投稿)を読んだ時、映像として世の中に存在しているほうが正しいなと思って…」とすぐに運営者である佐伯ポインティさんに連絡。友達を集めて自主制作の形でスタートさせたことを明かしました。
基本的に自身を叩き上げだと話すYPさん。16、17歳の時にカメラひとつ持って、関西インディーズバンドの方々とMVをたくさん作ってきたこと、撮影も編集もやれることは全部やってきたそうです。
おいしい映画ということで、主人公が心から美味しさと幸せを感じるシーンについて聞かれると「もちろん見た目とか、シズル感的なものもあると思うんですけど、食べ物だとか、食べるシーンって、たどり着くまでのそれまでの過程が大事だと思っていて、彼女は知らない人から高級なケーキを貰ったりもするんだけど、知らない人からの高級ケーキより自分のことを大切に思ってくれる男の子がくれるなんでもないケーキのほうが美味しいし、幸せに感じるよねっていう。同じケーキでも、その過程のストーリーが違えば、それがとても美味しそうに見えてくるし、幸福度が満たされるっていう。そこは、脚本段階で、かなりコントロールしてました」と映画に宿る「おいしさ」の秘訣を明かしました。
休憩を挟みスクリーンに登場したのは『ミッドナイトスワン』の名コンビ、内田英治監督と森谷 雄プロデューサーが、豊橋で撮影した短編映画『家族マニュアル』あらためてスクリーンでみると、リズムでテンポを生み出す演出は突然の異動辞令を受ける中年刑事の悲喜こもごもを描いた『異動辞令は音楽隊!』にも見ることができて、こちらもスクリーンならではの楽しみ方はできた作品。
上映後は、撮影地豊橋の思い出や『ミッドナイトスワン』の裏話なんかも飛び出し、内田英治監督がスタッフと喧嘩しながらも譲らなかったと振り返る「おいしいシーン」の秘話を明かしました。それが、湯気。湯気だけは「CGではなくリアルで撮りたい」とこだわりをみせたことを明かしました。『ミッドナイトスワン』の名シーンのひとつで、凪沙が一果のために作るハニージンジャーソテーでも、湯気が…。何気ないシーンにも監督のこだわりや、作品の魅せ方があったりして、監督ごとにそのポイントが全然違うのが面白かったです。
「おいしい映画祭」は12月4日まで、名古屋ミッドランドスクエアシネマ2の劇場でお待ちしております。